この章では、著者のつんく♂さんが病院で入院して喉頭癌であることを宣告されるまでの経緯やその過程での歌手としての苦悩や家族への思いなどが書かれていました。
実は癌を宣告される前から、つんく♂さんの喉の調子は良くなかったそうなのですが、仕事に対する責任感や「まさか自分が…」という思いから、すぐに生体検査を受ける事をしなかったと言います。
今になって改めてその時を振り返って、つんく♂さんは、
今、思うことは、身体は正直だということ。
自分の身体のことは自分が一番良く分かってるはず。
(中略)
周りが、心配し過ぎ!とか、年のせいだよ!なんて言ったとしても、自分が感覚的に何か変だなぁと感じたなら、それはきっと当たっているんです。
「自分の違和感を信じる」って動物的にも正しいと思います。
と、語っています。
また、喉の調子が万全でない中臨んだ最後のツアーでは、こんな事を思いながら歌っていたと話しています。
この調子でもっと声良くなれ!
明日は今日よりももっとよくなれ!
この先このままどんどん声でろ!
なんてことを毎回、思いながら、歌っていた。
「こんな事を考えながら、曲を歌う人が自分の声を捨てることが出来るのか。」
「どんな気持ちで声を捨てる決断をしたのか。」
考えただけでも、胸が締め付けられるような思いになりました。