生きてはいない、ただ死んでないだけ

ただ「死んでない」だけの誰得なブログ

人類とウイルスの免疫戦争1

 2019年、秋。

 突如として現れた新型ウイルスによって、世界の様相は大きく変わった。

 

 私たちが住んでいる日本も例外ではなく、毎日のように感染者や重症者、死者の数が発表され、その度に様々な議論が飛び交っている。

 

 緊急事態宣言を出すとか出さないとか。

 ワクチンは誰から打つべきかとか。

 オリンピックをやるとかやらないとか。

 

 正直、自分にはどうすることも出来ないし、どっちが正しいとかも分からないけど、毎日のようにそんな事ばかりが耳に入ってきて、いったい何が正しくて何が間違っているのかが分からない。

 

 国の方針は一貫せず、テレビやネットにはコロナウイルスに関するデマや噂、嘘が溢れ返りそういう情報に翻弄されるのにもそろそろ辟易してきた。

 

 正しい知識のもとでなければ、正しい対策や手段はとれない…

 

 錯綜する情報社会で大事なのは、ネットやテレビの情報を鵜呑みにして誰かの意見を批判するのではなく、未知のウイルスについて根拠に基づいた知識を自らで身に着け、正しく身を守る事なのだと思い、本書を手に取った。

 

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人類の歴史は感染症との戦いでもあった

 

 本書の結論から言うと、

 新型コロナウイルスに対抗するには、「集団免疫」を獲得するのが重要な手段であり、科学的に見ると今回の過度な「自粛」や「緊急事態宣言」などの国の対策は間違っていた。

 と言うことになる。

 

 まずこの「集団免疫」について書く前に、そもそも「ウイルス」と「細菌」は構造も性質も全くの別物だという事を念頭に入れておく必要がある。

 

 1章で筆者は「ウイルス」と「細菌」の違いについて、こう述べている。

 細菌は細胞であり、まわりの栄養を取り込みながらエネルギー代謝により自分で細胞分裂を繰り返して増殖できます。一方、ウイルスは細胞ではないので自分でエネルギーをつくりだすことはできず、自己増殖もできません。他の生物の細胞内に侵入し、その細胞が持つ遺伝子複製機能を使って自分のコピーをつくらせ、それによって増殖していくのです。

 抗生物質が効かないウイルス感染症に対しては、薬による治療が困難です。人類と感染症の戦いは今も継続中なのです。

 

 細菌と違ってウイルスには抗生物質が効かず、ウイルス感染症は薬では治癒することができないため、風邪などの感染症にかかった場合、私たち人間は体の中にある「免疫」でウイルスに対抗しなければならない。

 

 この「免疫」をもつ人の割合が特定のウイルスに対して、1つの集団の中で一定を超えると人から人へとうつりにくくなり、感染を押さえる事が出来る。

 

 この状態になることこそが、本書のカギとなる「集団免疫」の獲得である。

 

 小学校の時、列に並んでお医者さんから注射をされた経験があると思うが、あれもウイルスに感染する前にワクチンを打たれたことで免疫ができ、「集団免疫」を獲得していた訳である。

 

 ウイルスとの戦いは今に始まったわけではなく昔から続いていて、私達はこれからも戦い続けなければいけない。

 

 次回は2章の「コロナウイルスとは」について、書きたいと思う。